羊の木箱

まずはわたしの、そしてたまたま出会ったあなたの良いひまつぶしになりますように。

ヒツジはどこにいるか

読んだ本の内容はすぐに忘れます。

昔から本を読むのは好きでした。

「おもしろかった」「 なんか良かった」ていうのは覚えてるんだけれど。

 

そんな中で、珍しく細部のことばを覚えている本がありました。

世界じゅうで親しまれている物語、

 

サン=テグジュペリ著「星の王子さま

 

です。

だいぶ昔に読んでいたのですが、ふと手もとに置いておきたいと思い、図書券を使って買いました。10年程前に出版された訳でした。

 

物語がはじまってすぐ、目を疑いました。

「大蛇ボア」…!

わたしが知っている象を丸のみにする生き物は「ウワバミ」です。

これは、内藤濯氏による和訳でした。

 

もしかするとボアの方が的確に捉えられているのかもしれません。

しかし聞きなれない「ウワバミ」の響きは強烈で、得体の知れない恐ろしさがありました。

 

その他にも言いまわしで違和感がある部分があり、改めて内藤氏の訳が恋しくなるのでした(単なるノスタルジーなのか)。

 

あぁ、ブログ名「羊の木箱」の由来を書こうとしたのでした。

わたしが未年だからというのは後付けです。

 

星の王子さまは主人公にヒツジの絵を描くように懇願します。しかし、なかなか王子さまのお気に召すヒツジが描けません。

 

そこでとうとう主人公が描いたのが、ただの木箱でした。この中にヒツジはいるよって。

若干やけっぱちですが、ナイスなアイディア!

 

すると、王子さまはその木箱(の中にいるヒツジ)を見て喜びました。そのうち、寝ちゃった…、なんて言うのです。

王子さまには、ちゃんと見えているんです。

 

わたしはあと数ヶ月で母になる。

おなかの中のベイビーの顔は見えませんが、木箱の中の羊を見る目を、いつまでたっても持っていたいものです。

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